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直感 2009/05

昭和初期のころ、軍服をきた天皇をみて、「日本の国体は長続きせんな」、と 感想した皇族の女性がいたという。

米兵士の戦場体験の後遺症を描くドキュメンタリーTVがあった。
その中の話の1つに、兵士である母親の話があって、
映像の1シーンとして出てきた、 迷彩服を着てライフル銃を持つ母親の従軍の風景に、
「母親に銃を持たせる文明は長続きしないのではないか」、
ふと感想をもった。

正義感の発露としての憤怒、あるいは嫌悪感、そういった鋭いエネルギーではない。 また論理的な文明批判でも政治予見でもない。

母親が軍隊に参加するという、そこにあるジェンダーフリーの政治的施策や、 女性から志願している、という背景や動機がある、ということは認知しているつもりだし、
「そういう文明におまえは悦とし、そういった兵士たちの軍事力の保護下でだからこそ、 ここでお気軽なエッセイもかけるのだろう」、 という批判にも概ね服さなければならないということもわかっている。

先ほどの昭和初期の皇族の人も、軍国化への警戒や、時の政府や軍部に対しての 論理的、心情的な鋭い批評として、
「長続きせんな」という言葉を放ったのではなく、おそらく、 そこはかとなき直感だったと思う。
太平洋戦争とその後をイメージしたわけでもないだろう。

母親に銃を持たせる文明は長続きしない、というのは私の消せない直感なのである。

written by 株式会社ソーソー代表取締役 下野友哉